私は今、仕事をしていない。
なんなら次の転職についても、考えていない日々を過ごしている。
故に、普通の人よりも暇な時間が圧倒的に多い。
私個人としては、それは全然嬉しいことだ。
ただ、その暇を他人に話そうとする時は、少し話が別になる。
本当は「今めっちゃ暇!」と伝えたい気持ちもあるのだが、それを宣言した途端に発生する面倒くささを考えると、口をつぐんでしまうのだ。
「じゃあ、〇日は空いてるよね?」と聞かれた時に、誘いを断りづらくなること。
「暇な時間があっていいなぁ」と羨ましがられ、こちらの気分が下がること。
言った本人が「自分、本当に何もしてないじゃん」と自己嫌悪に陥ること。
そして何より、相手に「こいつ、大したことしてないんだな」と下に見られているような気配を感じてしまうこと。
社会に属さず、お金を稼いでもいない無職の私にとって、暇という言葉は、自分のわずかな立場すら崩しかねない強烈な自爆ワードなのだ。
もちろん、これらはあくまで想像の懸念であり、実際に相手がどう思っているかは分からない。
しかしこの居心地の悪さは、30歳の私が女子会に参加した時のあの現象に、よく似ている。
「結婚」や「恋人」の話題になった途端、途端に自分の立場がなくなり、
「なんで相手がいないの?」
「欲しくないの?」と無自覚な質問を浴びせられる。
それらを獲得している側が圧倒的優位に立ち、持たない自分がひどく肩身の狭い思いをする、あの空気だ。
だからこそ、それを持たない無職の私は、見栄を張ってでも「忙しい」と言いたくなる衝動に駆られてしまうのだろう。
え? 私の今日の予定ですか?
……特にはないけど、まあ、色々とあるかな。

