エニアグラムの「タイプ9(平和をもたらす人)」と「タイプ8(挑戦する人)」は、9つのタイプ図の中で隣り合う位置にあります。 しかし、その性質は似て非なるものです。
まずは、日本エニアグラム学会の説明文からそれぞれの特徴を引用してみます。
【タイプ8の特徴】
- 自己主張が強く、何事にも第一人者であることを志向します。
- 物事を決定する力があり、自信が自然に周囲で感じられます。
- 力によって周りに影響を与え、人を動かすことを好みます。
- 本能的な直感が鋭く、簡潔、明快、率直です。
- 不正は断固として許さず、好き嫌いがはっきりしています。
【タイプ9の特徴】
- 落ち着いてゆったりとした安定感があります。
- いろいろなことで忙しくすることがありますが、内側では落ち着きを保っています。
- 平和に、円満に暮らすことを好み、自分から事を起すよりも、起こってくることに沿って行こうとします。
- 平和を愛し、人と争うのが嫌いなため、周囲を穏やかにします。
このように、主張の強い8と、調和を好む9。
このタイプの間に「ウィング(隣り合うタイプの影響)」が発生すると、結構矛盾したタイプになると思います。
実際、エニアグラムの本の中にも「矛盾する特性があり、難しい組み合わせ」といった旨の内容がありました。
では、この分かりにくいウィングをどう見分けるか。
とりあえずウィングの話は脇に置いておいて、まずは単純に「8と9の中間の人物」の特徴を、上記を参考に抽出してみます。
- 基本落ち着いてゆったりしているが、自己主張もしっかり行う。
- 人々と楽しく共に生活することを好む。
- 活発に行動し、行動的である。
- 人を動かすことも、人に従う事もできる。
- 周囲に安心感を与える。
ウィングを加味せず考えた場合の「中間の性格」は、おおよそここらへんでしょうか。
行動面だけ見ると、どちらとも取れるのが迷う原因ですよね。
しかし、この表面的な特徴に「各タイプの根源的な動機」を付け加えると、全く違う動きが見えてきます。
エニアグラムにおけるそれぞれの動機(欲求)は以下の通りです。
- タイプ8の動機:「他人にコントロールされず、自分の力で運命を切り開きたい(存在感を示したい)」
- タイプ9の動機:「波風を立てず、人々と調和して内面の平和を保ちたい」
これらを踏まえて、先ほどの中間的な特徴に「動機」を足してみましょう。
【8w9 の場合】
- 基本落ち着いてゆったりしているが、「自分の影響力を実感し、テリトリーを守るために」自己主張もしっかり行います。
- 「自分が主導権を握ったうえで」人々と楽しく共に生活することを好みます。
- 「自分の存在感を知らしめる目的のために」活発に行動的になります。
- 人を動かすことも、「合理的であれば」人に従う事も出来ます。
- 「親分肌のような、頼れる」安心感があります。
同じ文章でも、タイプ8の動機(主導権・力の誇示)を入れると、随分と力強いニュアンスになります。 一方で、タイプ9の動機を入れるとどうでしょうか。
【9w8 の場合】
- 基本落ち着いてゆったりしているが、「平和な状態を維持し、不当に乱されないために」自己主張もしっかり行います。
- 「波風や不快な状況を起こさないために」人々と楽しく共に生活することを好みます。
- 「内面で落ち着きを保てている間は」活発に行動的になります。
- 「全体の平和のために」人を動かすことも、人に従う事も出来ます。
- 「どっしりと受け止めてくれるような」安心感があります。
いかがでしょうか。
元々はバラバラだったタイプの特徴を合わせたうえで、そこに「それぞれのタイプの動機」をくっ付けることで、自分がどちらの要素(理由)を大切にして行動しているかを見ることができるのではないでしょうか。
エニアグラムの理論上、基本タイプが「50:50(半分半分)」になることは滅多になく、根源的な動機はどちらか一方にあると言われています。
しかし現実の行動面では、両方の特徴が混ざり合う事により、ウィングはおろか、自分のタイプの目星も見つける事が難しくなってしまいます。
私自身も、今のタイプにたどり着くまで、様々なタイプを経てきています。
自分のコアを見つける事さえ、非常に苦労しました。(現時点で退行状態なのも、難しくさせた要因かもしれません。)
もし同じように、表面的な行動だけでは判断できずに「タイプ迷子」になっている方がいれば、このような形で『行動の裏にあるウィングの影響(動機)』を加味して自己分析してみるのはいかがでしょうか。
以上、エニアグラムのタイプ選びの参考になれば幸いです。

