大まかな感想としては、以前投稿したそれぞれの単独レビュー記事と似通っている部分もあります。
ですが、今回この記事を書こうと思ったのには理由があります。
そもそも、私が今回この2冊を読んだキッカケは、「両者の主張を比較してみたい」という思いからだったからです。
ということで今回は、両方を読み比べてみての感想を書いていこうと思います。
どちらも「同じこと」を言っている
まず、両方を読み終えて率直に思ったのは、「GRIT」と「QUITTING」は互いに真逆のことを言っているようで、大きなくくりで見ると「まったく同じこと」を発言している、ということです。
同じ事象に対して、どの部分に着目しているか。
「やり抜くこと」に目を向けたのか、「やめること」に目を向けたのか。
その程度の違いしかないように感じました。
例えば、ある人物の経歴を語る場合。
「GRIT」であれば、「彼は今でこそ一つの業界におり、それを何十年も熱心に続けているが、それまでにはサッカー、アメフト、野球、バレーボールなど様々なことに挑戦していた。その試行錯誤の『結果』が、今取り組んでいるスポーツなのだ」と書かれます。
一方「QUITTING」であれば、「彼は様々な出来事をやめてきた。サッカー、アメフト、野球、バレーボールなど様々なことに挑戦し、それを『やめてきた』からこそ、何十年も取り組める今のスポーツに巡り合えたのだ」といった具合になります。
スポットライトを当てる部分が違うだけで、やはり「やめること」と「やり抜くこと」は地続きの出来事なのです。
可能性の見つけ方と、たった一つの「条件」
一方で、主張のアプローチが少しずれていると感じた部分もありました。
「QUITTING」は、様々なものを手放し、新しいことに挑戦することで「自分の新たな可能性を見ることができる」と説きます。
対して「GRIT」は、これだと思うものを、たとえ芽が出なくても何十年間も続けた先に「自分の新たな可能性を見ることができる」と説きます。
しかし、この真逆のアプローチには、どちらも明確な「条件」がついています。
- QUITTING: 続けた先の未来を考え、それが「自分の心に従えていない」のであればやめてしまえ。
- GRIT: 何十年も続ける事柄は、「自分が心から熱を注げるもの」であれ。
言葉は違えど、結局のところどちらも「自分らしく生きられているかどうか」にフォーカスしているのです。
白黒のつかない現実を生きる
この2冊の内容から、物事には「完全な白も黒も存在しない」ということが分かりました。
どんなに本の中で極端な言葉が使われていたり、発言が偏っていたりしても、それを一つひとつ読み解いていくと、現実にはそこまで極端な結果になることは滅多に存在しません。
だからこそ私たちは、「やめるべきか」「続けるべきか」という白黒の2択に、いつだって深く悩んでしまうのでしょう。
しかし、その選択そのものには、絶対的な成功も、絶対的な失敗も存在しないのだと思います。
そして同時に、どちらの選択の中にも「成功」と「失敗」の両方が存在しているのだと、2冊の本を通して感じました。

