意を決して体重計に乗った。
正直に言えば絶対に乗りたくなかったのだが、今の現実を直視しないと、なんだか先に進めないような気がしたからだ。
最後に体重を量ったのは、もう1年以上前のこと。
当時は今以上に金銭的にも精神的にも追い詰められていて、もやしを食べる生活をしていた。
しかしそこから1年が経ち、今の私は「逆に太りすぎているのではないか」という、うっすらとした疑念を抱いていた。
その予兆は、日々のパフォーマンスの低下として確実に表れていた。
最近はとにかく体が重く、歩くのすら以前よりきつい。
長時間立っているだけで異様に疲れ、電車での移動がしんどくてたまらないのだ。
この謎の疲労感の原因は、ひょっとして体重増加にあるのではないか。
それがずっと気がかりだった。
恐る恐る体重計に乗る。
表示された数値を見て、息を呑んだ。
10キロ以上も、太っている。
その数字を見た瞬間は、あまりのショックに頭が真っ白になった。
この世には私と、体重計に表示されたその無機質な数値だけ。
一人と一つだけの世界に閉じ込められたと錯覚するほど、恐ろしく静かな瞬間だった。
BMIの数値で言えばまだ通常範囲内ではあるものの、私にとっては過去最高体重に近い。
「そりゃあ日々の生活もだるくなるわけだ」と心の底から納得した。
これまで、「人と会いたくない」「外に出たくない」という感情は、すべて精神的な鬱屈から発生しているものだと思っていた。
しかし今回の件で、実は「太ってしまった自分を見られたくない」とか「体が重くて動くのが単純に億劫だ」といった、物理的な体重起因の要素もかなり大きいのではないかと気づかされた。
一応私も女なので、体重は気にする。
それに、無職になってからこんなぐうたら生活を送っている人間の体重増加分が、「すべて筋肉」なわけがない。
増えた10キロのほとんどは、紛れもなく純度100%の脂肪なのだ。
想定していたラインを遥かに超えて太っていた現実は、めちゃくちゃショックだった。
心の問題もさることながら、自分の「肉体」の状態というのも、生活の質を左右するかなり重要なポイントなのだろう。
とにかく、ここまで体重が増えると日常生活にも露骨な支障が出るので、早急に元に戻したい。
まずは、マイナス5キロから。
いやはや、本当に恐ろしい瞬間だった。

