「あんなに誠実だったのにフラれた」
「結局、世の中は顔なんだ」
そんな言葉をよく見かける。
確かに、男女の仲において容姿の問題は切っても切り離せない。
どれほど中身が誠実でも、見た目で判断されてしまうことはあるだろう。
ただ、私は少し違う捉え方をしている。
そもそも、容姿を磨くことも「誠実さ」のうちに入るのではないか、と。
これほど「顔が大事」と言われる世の中で、それでも「顔ではなく中身を見てほしい」と要求するのは、本当に誠実な態度なのだろうか。
私には、誠実さというよりもエゴに近いように思える。
「中身だけで自分を評価してほしい」
「自分の都合のいい部分だけを見てほしい」と、
相手の選択を尊重しているようでいて、実は自分の条件を押し付けている気がするのだ。
そしてもう一つ、「誠実さ」とは何だろうか。
相手の意見を聞くこと。
言われたことを素直にやること。
手を煩わせないように先回りして気を使うこと。
これらは本当に誠実さなのだろうか。
言われたことをするだけなら「従順」
意見を聞くだけなら「受け身」
過剰に気を回すのは「自己満足」に過ぎないこともある。
私が思う誠実さは、もう少し対等なものだ。
相手の歩幅に合わせ、同じ目線で立つ。
気持ちを一方的に押し付けるのではなく、心を通わせる努力をする。
選ばれようと必死になるのでも、「これだけ尽くしたのに」と見返りを求めるのでもない。
ただ、相手とまっすぐ向き合い続ける姿勢。
それこそが、誠実さではないかと思う。
もしそうだとするなら、「誠実なのにフラれる」という言葉には少し違和感を覚える。
それは単に誠実だった“つもり”なだけなのか。
あるいは、世間の言う誠実さと、本質的な誠実さがズレているのか。
最近、そんな認識のズレが少し気になっている。


