大量にあったカメラ機材を、質に出した。
私はカメラマンとしての業務も請け負っていたため、家にはプロ用の機材が結構あった。
物事に一区切りが付いた今、手放す決断をしたのだ。
元々は趣味で始めたカメラだったが、いつしかそれは仕事の一つになった。
しかし、腰痛を患ってからは、全力で撮影を楽しむことが出来なくなっていた。
更に数年が経てば、撮影に楽しみを見出す事が難しくなり、仕事としてのカメラマンにも終止符を打った。
手放し時だった。
質に出して手元に入ったお金は、思ったより多かった。
けれど、それ以上に「自分の情熱を注いでいた物が消えた」という事実が重くのしかかる。
機材の物量が多かったことも相まって、心にポッカリと穴が開いたような感覚になった。
「これは後悔なのか?」と
自分に問いかけてみたりもしたけれど、違う。
この空虚感は、一生懸命に打ち込んだ結果、自分の道を一つ閉ざした事。
そんな「喪失感」に近いものだと感じる。
一方で、機材がなくなり、以前より広くなった部屋の空間を見てうれしくなる自分もいる。
「いつかは捨てなきゃ」と、目の上のたん瘤のように感じていた重荷。
そこからの解放感を思えば、の喪失感は決して後悔ではないのだと実感できる。
今はこの空虚感が拭えないけれど、これからゆっくり埋めていこう。

