6月になる頃、会社の中堅社員が退職した。
今年に入ってから、毎日仕事へのやる気の著しい低下を感じていた私にとって、これが大きなきっかけになった。
「辞めよう」
仕事を辞めることに決めたのは、5月半ばのことだった。
すぐに辞めるのではなく、ボーナスをもらってから退職しようと決め、
それまでは普段通り生活を続けていた。
しかし、迎えた6月最終日。ボーナスの音沙汰が一向にない。
記帳履歴を確認しようと思ったが、ちょうど今年通帳を切り替えたばかりで、手元に記録が残っていなかった。
しびれを切らした私は、思い切って同僚に聞いてみることにした。
「ボーナスっていつ出ますっけ?」
返ってきた答えは、7月半ば。
実は私の中で、「6月までにボーナスの音沙汰がなければ、7月初めには退職の旨を伝えよう」という基準を決めていた。
だから、この回答が得られたことは、何よりの救いだった。
ただ同時に、こんなことも思った。
今までの自分は、お金をいただくことの大切さに、特に気を配らなくても大丈夫なくらいには、仕事がうまくいっていたんだということ。
まさか自分が、仕事を辞めたいと思う日が来るとは。
去年から毎日感じてきたその気持ちを、改めて新鮮な感覚で受け止めた瞬間だった。
とにもかくにも、私の退職の連絡は、早くても7月後半になりそう。
ここまで遅くなるのは、正直予想外だ。

